偽りの結婚(番外編)




「分かってくれて良かったよ。」

一人笑顔のラルフは、満足げに答える。


「貴方達と話していると疲れるわ。」

ソフィアは、まるで自分から話題を振ったのさえ間違いだった、と言わんばかりの口ぶりだ。

その表情は、砂糖がたっぷり入った紅茶を飲んでいる時のような、げんなりとした表情だった。



「それは、褒め言葉として受けとっておこう。」

ソフィアの顔にも動じず、ニッコリと嬉しそうに笑う。

そんな態度のラルフに、ソフィアは何を言ってもダメそうだと判断した様子。


「この惚気た旦那様は置いといて。」

何気に酷いことをサラリと言いながら、シェイリーンに向き直るソフィア。



「今日はマリナが来ているわよ。」



マリナ・・・・?

どこかで聞いたことがあるような・・・