偽りの結婚(番外編)




しかし、正門を抜けて、私達を迎えたのは森だった。


「ここは、本当に王宮の敷地なの?」

「そうだ。この森を抜けて、王宮の建物自体に着くのは、馬車でも数十分はかかる。」

馬車で数十分というのも頷ける。

だって、目の前に広がるのは、森に囲まれた一本道のみだから…

ラルフの言う通り、王宮に着くまでにはしばらくかかりそうだ。







正門を抜けて、暫く馬車を走らせていると、視界が開けてくる。

すると、ふと、あるものに目を奪われる。


「……?……ラルフ、あれは何?」

同じ高さで横へ広がる生垣を指して問う。



「あぁ…あれは、迷路園だ。」

ラルフが、私が指す方向のものを捉え、答える。



「迷路園?」

初めて聞く単語だ。



「迷路園というのは、生垣で作った迷路の事だ。ネイル王国の迷路園には何度か挑戦した事があったが、ゴールするのに苦労した。」

そうなの……と、返事をしつつも、興味は既に外の迷路園にそれていた。

私も、一度入ってみたいわ。


迷路園に目を奪われていれば――――