「えぇ、私が一人で壁にいたのを気遣って下さって、ダンスに誘って下さったの。」
そう言って、微笑む。
シェイリーン……その笑顔はマズイぞ。
仮面舞踏会を思い出し、微笑む姿を見て、冷や汗をかく。
シェイリーンにしてみれば、ウォール侯爵の子息に対して感謝の気持ちを込めた微笑みだったのだろうが……
「あの方に、また会えるのね。」
シェイリーンのその言葉に、ピクリと反応するラルフ。
「もう一度、お会いしたいと思っていたの。」
そこら辺で止めておくんだ、シェイリーン。
しかし、思いも虚しく……
「会ってもう一度……きゃっ……!」
シェイリーンの言葉は途中で途切れた。
あーぁ、始まったよ……
目の前には、ソファーに押し倒されたシェイリーン。
シェイリーンを組み敷いて、両手をソファーに縫いとめているのは、もちろんラルフだ。
「ラ、ラルフ?」
様子のおかしいラルフに、シェイリーンはやっと気付いたようだが…
もう遅いぞ、シェイリーン。

