「さ、宰相様。あの……これは違うんです。」
途端に慌て始めるシェイリーン。
どうやら、宰相から見て、仕事中の俺たちを邪魔しに来ていると捉えられているのではないかと焦っている様子。
「私、午後の予定がキャンセルになって…書庫に寄ろうと思ったらここの前を通りかかって。それで、ラルフの仕事姿を見たいと思って……。」
しどろもどろで必死に説明するシェイリーンに、ククッと笑う。
「決して、ラルフの邪魔をしに来たわけじゃないんです。」
最後は涙目になって、宰相にそう伝えた。
まぁ、シェイリーンの気持ちも分からないでもない。
身分や、年齢や、家柄や…
そう言った、本人の感じる負い目があるからこそ、頑張ってラルフに追いつく努力をしていて。
そして、その努力を一番知ってもらいたかったのが宰相を始め、この国のお偉いさん方。
コイツらは、ラルフに家柄も容姿も良い令嬢を妃に…と薦めていた連中だ。
シェイリーンとしては、当然コイツらに良いところを見せたいわけで……
今日のこの状況は、シェイリーンにとってマイナスポイントらしい。
しかし……

