偽りの結婚(番外編)




「けど、ラルフも仕事があるでしょう?だから、すぐに出て行くわ。」

「いや、午後の分はほとんど終わらせた。だから、ここにいていいんだ。」


嘘だな。

ラルフの仕事はまだ、終わっていない。

まぁ、ラルフなら少しくらい後に回しても問題ないのだが…


そんなにしてまでシェイリーンと一緒にいたいかッ!

俺でも新婚の時はこんなに酷くはなかったぞ?

初恋同士の結婚というのは怖いな……と心の中でいると―――




コンッコンッ――――

執務室の扉が叩かれる。



「入れ。」

ラルフが短くそう言う。

……と言う事は、今度は家臣か団員か?

ちなみに、俺にはさっきと同じに聞こえた。



「失礼致します。」

そう言って入って来たのは、この国の宰相。

普段ならば、あまり執務室に来ない者の登場に、俺とシェイリーンは一瞬目を見張る。



すると宰相も……

「シェイリーン様?」

いつもならば、この場にいないシェイリーンを見て訝しげな声を上げる。