偽りの結婚(番外編)




「先生が体調をくずされたから、午後はスケジュールが空いちゃったの。それで、書庫に行こうかと思ったのだけど……。」


「けど?」

不意に話すのを止めるシェイリーンに、ラルフが先を促す様に声をかける。



「ラルフの仕事姿を見たくって。けど、仕事の邪魔になってるわよね…?」

長テーブルの上に、積み上げられた書類を見ながらそう言う。


「そんなことない!これはアイツの仕事だ。」

すぐにでも帰ってしまいそうなシェイリーンを引き止めるように、慌てて否定するラルフ。



「え……でも、これは騎士団の書類じゃないの?」

ラルフも関係あるんじゃ……と言うシェイリーンに、心の中で「もっと言ってくれ!」と叫ぶ。


………が

「これは副団長の仕事なんだ。そうだろ?ロイド。」

ニッコリと。

それは不自然な笑顔でこちらに同意を求めるラルフ。

背後に黒いオーラが見えるのは気のせいだろうか。



「あ、あぁそうだ。これは俺の仕事なんだ。」

そんな黒いオーラも見えないシェイリーンは、そうなの…と納得した様子。