偽りの結婚(番外編)




キィーっという扉の音と共に入ってくるシェイリーン。


「何で私って分かったの?」

入るなり、不思議そうな顔をしている。


そりゃ驚くよな。

一言も喋ってもいないのに。



しかし、この男には分かるのだ。


「いつも執務室の扉を叩くのは騎士団員か、家臣だけだからね。団員や家臣たちは扉を叩く音がもう少し大きい。」


何だそれ……

ラルフの答えに呆れる。

俺には全ッ然、分からなかったぞ。



「音だけで良く分かったわね。」

ほら、シェイリーンも驚いてるじゃねーか。



「まぁ、あとは愛故に…かな。」

うげっ………なんて寒い奴だ。

何の躊躇いもなくそんな台詞を吐くラルフに、ゾワッと身の毛がよだつ。


しかし、肝心のシェイリーンは、顔を真っ赤にしている。



おいおい、こんなので良いのかシェイリーン。

そんな反応してると、コイツは益々つけあがるぞ?

そう思って二人を見守る。