偽りの結婚(番外編)




「首元のソレですよ!」

「あっ……これは…えっと……その…。」

反射的に首元を抑えて、しどろもどろになるシェイリーン様。



シェイリーン様の首元には、朝にはなかったキスマークがくっきりついていた。

赤々と咲き誇る薔薇の様な印は、これ見よがしに主張している。

これを付けたのが、誰だかなんて明白で。



「ラルフ様ですね……。」

はぁ…と今日一番の溜息が出た。

答えを聞かずとも、シェイリーン様の真っ赤になった顔がソレを肯定しているようなものだった。



また、見えやすいところにつけてくれちゃって。

しかも、くっきりと。

シェイリーン様、またラルフ様を煽るような事を言っちゃったのかしら。


仕方ない、化粧で誤魔化せるところまで誤魔化してみよう……

増えた仕事に、内心溜息をついていると――――



…………ッ!

重大なことに気付いた。


私が買ってきたドレス……

コレじゃ着られないじゃない!



そんな……折角着てもらえると思ったのに。




ラルフ様!独占欲もほどほどにしてくださぁぁああい!!