偽りの結婚(番外編)




「失礼します。」


扉を押して、寝室に入れば――――


「モニカ!お帰りなさい。」

「只今帰りました。」

明るい笑顔で迎えてくれる主に、こちらもまた笑顔で応える。



「それ……どうしたんですか?」

目線の先には、ベッドの上に乱雑に置かれた何着ものドレス。

シェイリーン様自身も、鏡の前でドレスを見ていた。




「今日の夜、ウォール侯爵家から、晩餐会へのお誘いがあったの。それで、着て行くドレスを選ぼうと思って…。」

それはそれは、願ってもない申し出。

このドレスを着てもらうチャンスだわ!

こんなにも早く、シェイリーン様に来てもらえるチャンスが巡ってくるなんて。



ドレスを包みから出して、差し出そうとしたその時――――


ふと、視界に入る、あるモノ。

嫌な予感を感じて、シェイリーン様との距離を一気に詰めれば……




「なっ……何ですかコレ!」


「え……何って?」

声が裏返る程に大声を上げた私に、シェイリーン様も驚く。