偽りの結婚(番外編)




しかし、転機はすぐにやって来た―――


午後からのシェイリーン様のスケジュールが変更になった。

……というか、午後は何もなくなったのだ。

午後も午前と同様に、妃見習いのスケジュールを組んでいたのだが、その先生が体調不良で来られないとの事。



頑張っているシェイリーン様には申し訳ないけれど…


チャンスだわ!

…と言っても、主の了承なしに傍を離れるわけにはいかない。



「シェイリーン様、午後はいかがなされますか?」

決して自分の主張はせず、主の主張を優先する。

それが、優秀な侍女の心得。



「書庫へ行くわ。」

ぱぁ…っと明るい笑顔を見せて、迷いなくそう言う。

年相応な反応に、クスッと笑いながら「分かりました。」と返す。


絶対にそうおっしゃると思っていました。

どんな豪華なドレスや宝石よりも、本が好きな主。

暇さえあれば、書庫へ行っている。



そして………