偽りの結婚(番外編)




今日はダンスのレッスンがあるので、フリルなどない、シンプルなものを選んだ。



「うん、これが良いわ。これなら、隠れそう……。」

どこかズレた感想を言う主に、苦笑する。

鎖骨の下辺りから隠してくれるドレスで、後ろは髪を下ろしておけば問題ないだろう。



「では、これにお着替えください。私は、その間に朝食を準備してまいります。」

朝食の準備も普段ならば、見習いの仕事だが、しょうがない…


うぅ……今日は、色々な買い付けに行きたかったのだけど。

買い付けは午後ね……

溜息をつきながら、寝室を出る。




――――こうして、私の朝は始まる。

朝のドタバタから、朝食の準備を手伝い、シェイリーン様をダンスレッスンへ送り出し。

その間、見習い侍女たちへの指示や、フォローをして。

シェイリーン様がダンスレッスンから帰ってくるまでに、お風呂を溜めておく。

午後もスケジュールが入っているため、体を清めて、ドレスも着替えてもらうのだ。

そして、瞬く間にやってくる昼食。


「はぁ……城下へ行くのはいつになる事やら。」

誰もいない廊下で、愚痴を零す。