偽りの結婚(番外編)




正確には、ダンスレッスンに…と言うよりは、妃見習いのスケジュールに遅れるのを良しとしないのだ。



「今……何時!?」

シェイリーン様は、焦りながらも時計を見上げて、ほっと息をつく。



「8時…良かった、間に合うわ。」

今日のダンスレッスンは10時から。

まだ、充分に時間はあった。



「おはようございます、シェイリーン様。」

ベッドの上で脱力する主に声をかける。



「モ、モニカ…?おはよう。」

一連の動きを見られていたことが恥ずかしかったのか、顔を赤らめながらそう言うシェイリーン様。

よし……これで、大丈夫ね。


完全に覚醒した主に満足し身支度をするためにテキパキと動き始める。

すると、ベッドの上の主がポツリと呟く。



「ラルフはもう出て行ったのね。」

しゅん…と落ち込む姿は、女の私が見ても可愛い。


「随分前に出て行かれましたわ。」

ほとんどの朝は一緒のお二人。

だから、余計に寂しく感じるのだろう。