偽りの結婚(番外編)



シェイリーンは、二人の真剣な面持ちに押されたように、おずおずと口を開く。



「ほ、本当に具合が悪いわけじゃないんです。・・・ただ・・・。」

「ただ?」

この期に及んでまだ口ごもるシェイリーン。

先を促す様に優しく問いかければ、少し潤んだ瞳を伏せながら、声を絞り出す。


「ただ、少し・・寝不足で・・・・。」

かーっと、耳まで赤くして、段々と声が小さくなるシェイリーン。

対するラルフとソフィアは、シェイリーンの答えに目を丸くする。


しかし、次の瞬間にはシェイリーンの言葉の意味を察する。



あぁ…そう言うことか。

ラルフは、シェイリーンの反応に耐えきれなかった笑みがこぼれる。

そして、横にいたソフィアも言葉の意味が分かったようで、はぁ…と呆れたような溜息をつく。



「全く…ラルフには困ったものだわ。」

ソフィアの言葉に、いたたまれず俯くシェイリーン。