偽りの結婚(番外編)




そして、「それから…」と、いつものように指示は続く。


一通り朝の配置を決めたところで、最後の指示を出す為に口を開いた―――



「それから……貴方達は、ラルフ様の寝室のシーツを替えに行ってちょうだい。」

「……………。」

すると、途端に目をキョロキョロとさせながら言葉に詰まる侍女見習い達。



またか………

一斉に目を泳がせ始めた彼女たちを目の前にして、溜息をつく。



「どうしたの?ラルフ様はもうお部屋にいらっしゃらないのよ?」

ラルフ様は、既に起きて、書斎で公務を始めている。

だから、寝室にはシェイリーン様だけ。

入りづらくもないはずだが……



「ぁの……でも……。」

依然として、彼女達は先程の様な元気な声を上げない。

まぁ…言いたい事は分かるのだけどね……

私も最初は驚いたから。

……と言うか、直視できなかったから。

あの光景を思い出し、はぁ…と溜息を零した。