偽りの結婚(番外編)




まさか、シェイリーンの口から“寂しい”という言葉が聞けるとは夢にも思っていなかった。

シェイリーンには、モニカやソフィアやアリア、サロンの友人がいる。

だから……自分が感じていたこの寂しさは、シェイリーンとは共有出来ないものだと思っていた。



こうもストレートな気持ちをぶつけられると、シェイリーンの気持ちも分かる気がする。

嬉しいのだが、どう反応していいか分からない。


例えるなら、時間が止まったかのように…

口が言葉を紡ぐ事を忘れてしまう。

ただひたすらに込み上げてくる歓喜を感じる。


愛する者の言葉一つで。

それだけでも、こちらは動揺しているというのに、シェイリーンは尚も止まらない。



「寝室に帰ってもいつも一人で……。けど、旅行の為に頑張ってるのに寂しいって言っちゃダメな気がして」

まるで、後ろめたい事を言っているかのようにシェイリーンの声が小さくなる。



「だって、この旅行の為に頑張ってくれているのに、私が寂しいなんて言ったらダメでしょう?」

胸に頭を押し付けるようにして顔を隠すシェイリーン。