偽りの結婚(番外編)




まぁ、この様子だと、シェイリーンは気付いていないだろうが。



「………?」

案の定、シェイリーンの頭には疑問符が浮かんでいる様子。

涙を流す程、悩んでいたくらいだ。

欲しいものが何か分からないのも頷ける。

それに、僕が欲しいものは、シェイリーンには分からない。



「欲しいものって?」

「君だよ、シェイリーン。」

期待の眼差しを向けるシェイリーンに、微笑みながら言う。

すると、見事なまでに見開かれるエメラルドグリーンの瞳。

腕に抱えた小さな体は、ピタリと動作を止めた。



予想通りの反応だ。

こうして、素直な想いを告げると、シェイリーンはいつも戸惑いを見せる。

最初は、その反応に不安を覚えたものだったが、今となっては楽しんでいる自分がいる。

恋愛ごとに疎いシェイリーンは、ただ、ストレートな言葉に恥ずかしがっているだけだと言う事がわかったから。