偽りの結婚(番外編)




綺麗な眉根を寄せ、悲しそうな表情をする。

遂には、目尻に溜まっていた涙が零れ落ちた。



「何故泣くんだ?」

見ているこちらも眉を寄せながら、零れ落ちた涙を拭う。

プレゼントを…ケーキを作ってくれた事が嬉しいと伝えたにも関わらず、シェイリーンはまだ涙を零す。

シェイリーンの真意が分からない。

はらはらと零れ落ちる涙は綺麗だと思うが、やはりシェイリーンが悲しんでいるのは見ていられない。

涙を拭った手を頬に滑らせ、優しく促せば、シェイリーンはおずおずと口を開く。



「だって、本当にラルフが欲しいものをあげたかった………。」

頬に添えた手に頬が擦り寄り、シェイリーンの手が重なる。




「本当に欲しいもの……ね。」

噛みしめるように呟けば……



「あるの?」

その言葉に反応して、俯き加減だった顔が上がり、パッと表情が明るくなる。

涙は面白いほどピタリと止まっていた。



「ああ。けど、もう手に入ってる。」

言葉一つでクルクルと変わる表情に心の中で苦笑しながら、シェイリーンに微笑みかける。