いつも無理をして振る舞って。
本当の自分を押し込めて、“大人”を演じて。
そして、それは自分のせいだと分かっているからこそ、申し訳なく思う。
だからこそ、こうして少女の一面を垣間見るとほっとするのだ。
悲しい時は泣いたっていい。
苦しい時は弱音を吐いたっていい。
今まで色んなことを我慢してきた彼女だから、これからは自分が思い切り甘やかそうと決めたのだ。
「シェイリーン。」
プラチナブロンドの柔らかい髪を、そっと梳きながら話しかける。
「そんな事は気にしなくていい。君が僕の為にプレゼントを用意したいと思ってくれた、その気持ちだけで十分だ。」
それは本心からの言葉。
そもそも、誕生日を教えていないのだから、シェイリーンが知らない事は当然の事。
それを責めるようなことなど出来ないし、こうしてケーキを作ってくれている。
それだけで十分なのだが、シェイリーンは「でも……。」と言って抱きついた首から離れようとしない。

