シェイリーンに言われて思い出したくらいだ。
それ程、自分の誕生日などに興味がなかった。
しかし、目の前の愛しい人はそうでないようで………
「わたし…知らなくて……。」
辛そうな声がポツリと落とされる。
顔を見られたくないのか、肩口に頭を埋め、頑なに力を緩めようとしないシェイリーン。
言葉を紡ぐ度に僅かに漏れる息に、気が気ではないのだが……
心臓が高鳴りながらも、真面目な声で話すシェイリーンに、その衝動を抑える。
「ラルフの誕生日が今日ってこと、旅行の前日にモニカから聞いたの。」
落ち込んだ声だから、余計に大人しくしていなければという意識が働く。
そんな自分の葛藤など露程も知らず、シェイリーンは話し続ける。
「だから、何にもプレゼント用意出来なくて……。わたしがラルフにお祝いをしてあげたいって言っていたから、モニカが荷物にケーキの材料を入れてくれたの。」
シェイリーンの言葉に胸が熱くなる。
あれ程、誕生日などどうでも良いと思っていたが……
シェイリーンにそう言われた今、自分が産まれてきた日に感謝したい気持ちになった。

