偽りの結婚(番外編)




やっと気付いたか・・・


「ソフィアもういいだろう。シェイリーンを返してくれ。」

シェイリーンをソフィアから取り上げ、不機嫌な顔で言うラルフ。


「あら、独占欲の強い旦那様ね。そんなに心が狭いと、可愛い奥様から嫌われちゃうわよ?」

腰に手をあて、こちらも不機嫌そうなソフィア。

一応、公式の場なのだが、シェイリーン絡みになると熱の入ってしまう二人。



「大きなお世話だ。」

今日も、ラルフとソフィアの静かな火花が散り始めた。

シェイリーンは、二人の間でオロオロとしている。



「いつも散々シェイリーンさんを独占しているんだから、今日くらいいいじゃない。」

ソフィアの言うことはもっともだ。

公務以外ではいつも一緒にいるラルフに比べ、ソフィアはこうして国境を越えなければ会えない。



・・・しかし、ソフィアにずっと独占されるのも面白くないラルフ。


「毎日独占したって足りないくらいだ。」

そう言ってシェイリーンの腰に回した腕に力を込める。