偽りの結婚(番外編)




こんな時は、シェイリーンが自分から話してくれるのを待つ。

暫くの沈黙の後、シェイリーンが意を決したように口を開いた。



「……誕生日。」

ポツリと呟いた言葉は、シェイリーンの頭が耳元になければ聞こえなかったところだ。



しかし―――

「は?」

耳には届いたのだが、言われた言葉の意味が分からなかった。

シェイリーンに、説明を求めるような疑問の声を上げれば…



「今日は、ラルフの誕生日でしょう?」

シェイリーンは、声を絞り出すような切ない声で話す。



「あぁ……そう言えばそうだったかもしれない。」

思い出したようにそう答える。

自分の誕生日など、すっかり忘れていた。



そもそも、25にもなって……

いや、今日で26か。

26にもなって誕生日を祝ってくれと言うのも可笑しい話だし、恥ずかしいものがある。

成人して公務を始めてからは忙しく、自分の誕生日などにかまっていられる暇などなかったしな。