偽りの結婚(番外編)




「それは……こうする為だ。」

「きゃッ!」

両手で、ふわりと、シェイリーンの体を浮かせる。

まるで羽のように軽いシェイリーン。

その体を持ち上げれば、反射的にシェイリーンの手が首に回った。

片腕にシェイリーンをのせ、もう一方の手をシェイリーンの背に回す。

これで、視界を遮るものはない。


さて、シェイリーンが隠していたものは何だろうか……




「………ケーキのスポンジ?」

呟いた言葉に、シェイリーンの体がビクッと震えたかと思えば、今までの抵抗が嘘のようにシェイリーンの体から力が抜ける。



「これを隠していたのか?」

「………。」

自分の首に手を回したままのシェイリーンに問うが返事はない。

代わりに、自分の首に回したままの手に力が入った。



「シェイリーン?」

顔の見えないシェイリーンに、伺うように声をかける。

ギュッと密着するように抱きしめられるのは嬉しいが…

シェイリーンがこんな行動をするときは、“愛おしくて”する時ではない。

察するに、今は顔を見られたくないのだろう。