偽りの結婚(番外編)




………?


声は確かにとどいたはずだが……

肩を上げて固まってしまったシェイリーン。



「シェイリーン…?」

何か様子のおかしいシェイリーンに、再び声をかければ…



「ラ、ラルフ…もう、お風呂から上がったの?」

バッと振り返り、笑顔でそう言う。


…が、その笑顔は見事に引き攣っていた。



「あぁ、君が心配で。」

シェイリーンの様子は置いておき、問われるままに答える。

真面目な顔で。

すると、やはり眉尻を下げ、呆れた顔をされた。



「さっき、屋敷を見回ったじゃない。」

「もしもの事があったらと思ってね。」

護衛のたくさんいる王宮と違って、この離宮ではいざという時にシェイリーンを助ける者がいない。

そんな状況で、長い間一人に出来るわけがない。

ましてや、相手はシェイリーン。

大人しく座っているだけの令嬢とは違い、一つのところに止まってはくれない。