しかし、ラルフは大して気にした様子もなく…
「いや、大丈夫だ。遠出は慣れているからね。」
いつも勘が鋭いくせに、こんな時にだけ鈍感なラルフ。
「シェイリーンこそ疲れただろう?先に入っておいで。」
もうっ……こちらの気も知らないで…ッ。
呑気にそんなことを言うラルフに、心の中でやきもきする。
「私は後でいいわ。昨日は私が先に入ったんだから、今日はラルフからどうぞ?」
隠し事をしている後ろめたさから、ひきつった笑みになってしまう。
もっともらしい理由を上げたつもりだったが、ラルフの表情はどんどん訝しげに眉を寄せる。
バ、バレた………?
心臓がバクバクと音を立てるのが耳に入ってくるくらいにドキドキとしながらラルフの返事を待つ。
しかし、その心配は杞憂に終わった。
ラルフが子供の様にムッと眉を顰め、口を開けば…
「そんなこと言って、僕のいない間に、食事を作ってしまうんじゃないだろうね?」
「そ、そんなことしないわ。一緒に作る約束でしょう?」
思わぬ言葉に拍子抜けし、慌ててそれに反論する。

