「んっ……。」
何かに抱きしめられている感覚に、身じろぐ――――
が、ソレは思ったよりもしっかりと自分の体に巻きついていて身じろぐ事が出来ない。
く、苦しい……
眉を寄せながら、身動きが出来ないもどかしさに声を上げる。
しかし、これはいつもの事だ。
うっすらと瞳を開き、その原因を確かめれば…
ほら…やっぱり。
目の前には、自分を抱えながらクッションを背にして眠るラルフの姿があった。
でも、何で……?
昨日は私が下だったのに。
いつの間に反転したのだろうか……
疑問に思うも、やはりこの体勢が一番落ち着く…と思った。
ラルフの衣服をキュッと掴み、広い胸へ擦り寄れば、トクントクンッとリズムを刻む心音。
一定間隔で鳴るその心音に、再び夢の中へ誘われる感覚を覚えるが―――
ラルフが疲れて寝ている内に、今のうちに食堂で昨日の続きをしようかしら……
昨日途中のままで冷蔵庫に押し込んだ、あるモノを思い出しながら、だんだんと意識はハッキリと覚醒してきた。

