偽りの結婚(番外編)




しかし、そんな抵抗も次の言葉で止むこととなる。


「ベッドだと、自分を抑える自信がない。」

私をギュッと抱きしめながら、ラルフはポツリと呟く。

やはり、横になると眠くなるのか、呑気にふわぁ…と欠伸をして眠そうにするラルフ。


「なっ!」

これには、先程まで抵抗していた力も弱まった。


「それでもいいなら、ベッドへ行くが?」

肩口にうずめていた頭を上げ、意地悪な笑みを向けられる。


「わかったわ。もうここで良いから。」

下から見上げられるラルフにドキッと鼓動が跳ねながらも、平常心を装ってそう言えば「そうか」と、満足げに微笑み、再び肩口に頭をうずめるラルフ。


もう、寝てくれるだけでもいいわ……




「それにしても…貴方って人はなんでいつもそうなの?」

溜息交じりに出てきたのは、常日頃から感じている事。


「ちょっとは抑えてもらわなきゃ私も持ちません。そもそもね……。」

言いかけた言葉は途中で途切れる。

覆いかぶさるようにして眠るラルフは、既に夢の中だった。

いつもとは逆で、自分の胸の中で眠るラルフに思わず笑みがこぼれる。



「お休みなさい、ラルフ。」

満点の星々が輝く夜に見守られながら、眠りに着いた。