偽りの結婚(番外編)





しかし、安堵したのもつかの間―――


「きゃッ……。」


休むことを承諾した途端、自分の方へ預けられるラルフの体。

当然支えきれるはずもなく、なだれ込むように後ろのソファーへと倒れた。

ラルフの重たい体を受け止めつつ、柔らかいソファーの感触を背中に感じる。

自分の肩口にラルフの顔があることに、頬を赤らめるが、焦ったように口を開く。



「ラルフ!ベッドへ行かなきゃ。」

ラルフの背中を軽く揺すりながら、慌てて声を掛ける。

いくらこのソファーが大きくて、やわらかくても、疲れがとれない。

しかし、そんな考えも露知らず、ラルフはポツリと呟く。



「ここでいい……。」

そう言って、背中に手を回すラルフ。

声はもうすでに眠そうだ。



「良くないわ!」

がっちりと後頭部と背中に回された腕に抵抗しながら叫ぶ。