偽りの結婚(番外編)




それよりも、心配なのはラルフの体の方だ。



「ラルフこそ…大丈夫なの?」

「ッ………!」

そう言いながら、ラルフの首に腕を回し、その体を抱きしめると、耳元で息を飲む声が聞こえた。

普段、恥ずかしさから、こんな行為に出るのは少ない。

けれど、この時は羞恥よりも、ラルフを心配する心の方が勝っていた。



「何だか細くなった気がするわ。」

上半身を起こして、ラルフの体を抱きしめれば、やはり以前よりも細くなっている気がした。

その事実をまざまざと感じ、眉を寄せる。



一週間ろくに寝ずに公務をして。

食事だって、同じ時間帯にとったのは数える程しかなかった。

ラルフがこの旅行の為にどれだけ頑張ってくれたかと思うと、嬉しかったけれど、同時にとても心配だった。


その思いの丈がラルフの体を抱きしめる手に伝わり、キュッと力が入る。

すると、自分よりも大きくて逞しい腕が、背中に回り……



「心配をかけてすまなかった。」

息もつけぬほどの強い力に抱きしめられる。