偽りの結婚(番外編)




いくら公務が忙しかろうが、シェイリーンが一言「寂しい」と言ってくれれば、すぐにでも帰るのだが。

そんな“お願い”をされたこともなく。



自分はこんなにもシェイリーンなしでは生きていけないというのに、シェイリーンは平気なのか…

と、少しばかり不満にも思ったりする。

だからこそ、今日の様に無邪気で素直に感情を表現する様なシェイリーンは珍しかった。

惚れた弱みでそう見えたとしても、舞い上がる自分は単純だ。




「お待たせ。」

ちょうど髪を乾かし終わった時、タイミング良く食事を運ぶシェイリーンが戻って来た。

暖炉の前に置かれたテーブルに、その食事を並べれば、王宮で食べているものと同じような料理が並ぶ。

本当は、シェイリーンと二人で作りたかったが、初日の今日は我慢しよう。

シェイリーンも長旅で疲れているだろうしね。



「さぁ、食べましょう。」

「あぁ。」

楽しそうなシェイリーンの表情につられ、思わず笑みがこぼれる。

久々に顔を合わせての食事という事もあってか、終始笑顔の絶えない食事だった。