それを、シェイリーンも感じてくれているのか、抱き寄せればいつも大人しく腕の中におさまっている。
抱きしめた時の柔らかな体に、いつものようにほっと安堵しながら、口を開く。
「どこに行っていたんだ?」
見れば、先程バスルームから出てきたままの格好のシェイリーン。
いくら暖炉で室内が暖かかろうと、こんなに薄着では風邪を引く。
しかも、腰に腕をまわした時に触れた髪は、まだしっとりと濡れていた。
「ちょ、ちょっと食堂に行ってたの。食事の用意をしようと思って。」
食事……?
あぁ、そうか…今日は二人きりだから用意しようとしていたのか……
こうすると、一国の王子と妃ではなく、本当の夫婦になったようで、小さな幸せを感じる。
「僕も一緒に用意するよ。」
シェイリーン一人に任せてしまうのは申し訳ないと思って、そう言ったのだが…
言われた本人は、あわあわと見るからに焦り始める。
「い、いいのよ。食堂に行ったら、食事はもう先に作っていたみたいで、後は温めるだけだし。私が準備するからラルフは髪を乾かしておいて。」
食事は使用人たちが作っていってくれたのか。

