「シェイリーン……?」
バスルームから出て見ると、リビングにシェイリーンの姿がない。
屋敷内は見回りついでに施錠したので安全だと言う事は分かっているが、やはり姿が見えないと不安になる。
「シェイリーン。」
先程よりも、強めに響く自分の声を聞きながら、心の中で、どうしょうもないな…と自嘲気味に笑う。
「ラ、ラルフ。もう上がったの?」
二回目の呼びかけでエントランスに繋がる扉から出てきたシェイリーンは、何故か焦っているようだった。
しかし、そんなシェイリーンの様子にも気付かぬほどに、その心は安堵が支配していた。
何もなくて、良かった……と。
パタパタと慌てて近寄って来たシェイリーンの腕を取り、胸の中へ引き寄せる。
抱きしめる事で、彼女の存在を現実のものに出切るなど、子供じみているのだろうか。
しかし、こうして抱きとめておかなければ、またあの時の様に自分の腕からスルリと抜け出して何処かへ行ってしまいそうで…
それが、たまらなく怖いと思う自分がいる。

