「先に湯浴みを済ませておいで。僕はその間、屋敷の部屋を見回ってくる。」
持ってきた荷物をソファーの脇に置きながら、ラルフがそう言う。
「一人じゃ危ないわ。」
王家所有の屋敷といっても、ここは離宮で、警護がうすい。
ラルフは、部屋を一つ一つ見回ると言うが、もしその部屋に賊が侵入していたら…と思うと怖かった。
「大丈夫。襲われやしないさ。」
頬を撫でながら話すラルフ。
分かっている。
ラルフが王国随一の剣豪で、騎士団の団長になる程の腕前を持っている事は…
襲われても、それに対処する程の技量は持っていると分かっているけれど怖いのだ。
ラルフの言葉に、でも……と渋っていると……
「一緒に入りたいのなら別だが?」
ニッコリと笑みを浮かべ、そう言うラルフに、目をパチパチと瞬かせる。
そして、次の瞬間にはみるみるうちに顔が赤くなる。
「ち、違います!」
バッと距離を取ると、クスクスと笑うラルフ。

