またもそんな思いが顔に出ていたのか、ラルフがククッと笑う。
「ベッドのサイドボードに本が積み上げられていただろう?前日まで読んでいた本と違っていたし、書庫に行ったんだろうと思ったんだ。」
その言葉に唖然とするシェイリーン。
ラルフの観察力には脱帽だった……
「ごめんなさい…。騙すような事をして。」
申し訳なさそうな声で、小さく呟く。
すると、ラルフは馬のスピードを緩め、ゆっくりと走らせ始める。
そして、自分と同じくらい落ち込んだ声が上から降って来た。
「いいや、僕の方こそ悪かった。もっと早くに想いを告げていたら、あんな事にはならなかったのだが…。」
いつも凛として、生まれながらの王族という感じのラルフ。
そのラルフが、こうしてあからさまに落ち込むのは珍しい。
こんな風に、落ち込んだのはそう……あの時だった。
私たちが真に結ばれた、仮面舞踏会の夜。
ラルフは自分で自分が許せない…と言っていた。

