偽りの結婚(番外編)




シェイリーンは、慌てて距離を取る。

頬の赤いモニカに、負けず劣らず顔を赤くするシェイリーン。

普段から人前で寄り添うことを苦手とするシェイリーンにとっては、この上ない恥ずかしさであった。



一週間ぶりで、感情が高まってしまって、周りが見えていなかったようだ。

対するラルフはと言うと、シェイリーンが離れてしまったことに不満な様子。




「続きは、旅先でやってほしいんだが。」

ロイドのその言葉に、チッと小さく悪態をつきながら、口を開く。


「分かっている。荷物はもう送ったか?」

先程シェイリーンに向けた甘い声はどこへやら…

ロイドに向ける声は、突き放すようなものではないにしろ、どこかめんどくさそうだった。



「これからだ。…ということで、俺は荷物をあずけてくる。」

ラルフの機嫌が一気に下降したことに、冷や汗をかきながらそう言う。

慌てて、荷物を抱えて出て行った。



「わ、私もこれで失礼いたしますわ。」

先に逃げてしまった夫を追いかけるようにして、モニカも寝室を出て行った。




パタン――――

「よし、じゃぁ、僕たちも準備をして出よう。」

二人きりとなった事が嬉しいのか、ラルフは満足げな笑顔で話す。


「はい。」

それに、シェイリーンも笑顔で答え、寝室を出た。