偽りの結婚(番外編)




「お待たせ、シェイリーン。」

久しぶりに聞くラルフの声は、やっぱり落ち着く。

けれど、すこし声に張りがない様な気もする。



「疲れていない…?」

抱きしめるラルフに応えるように、背に手を回せば、答えなど分かった。

一週間前よりも、細くなった体が物語っていたから…

おずおずと聞けば、ラルフは、そうだな…と口を開く。



「疲れていないと言えば嘘になる。」

その言葉に、エメラルドグリーンの瞳に痛みが走る。



「だが……今この瞬間、吹き飛んだ。」



そう言って、抱きしめる力を強めるラルフ。

疲れている癖に、その力はいつにもまして強い気がするのは気のせいだろうか。

しかし、シェイリーンもまたラルフに負けず劣らず、目の前の体に抱きつく力を強める。



「はぁ…やっぱり落ち着く。」

その言葉と共に、シェイリーンの肩に顔をうずめ、プラチナブロンドの髪を梳く。

対するシェイリーンも、同じ事を考えていた。