偽りの結婚(番外編)




19の小娘が、25のロイドから敬語を使われるなど申し訳なさすぎて……

ロイドが気にした風でもなかったのは、王宮での生活が長いからだろう。

最初は、敬語ばかりだったが、今では公式の場で以外は気さくに話しかけてくれるようになった。

荷物を持って、部屋を出ようとしたところ、ちょっと…と、モニカが引き止める。





「ラルフ様のご公務はもう終わりそう?」

きっと、この日を待ち切れなかった私の気持ちを察してくれたのだろう。

優しいモニカは、ラルフの公務の状況を聞いてくれる。



「あぁ、もうすぐネイル王国のお偉い方が帰るからな。あともう少しといったところだろう。」

今日は、ネイル王国からの使者が来ている。

なんでも、近々ネイル王国の王子が結婚するらしく、その式への招待状を届けに来たのだとか。

それさえも公務に入ってしまうから、王族とは大変だ。



「ということは、出発は15時くらいでしょうね。」

モニカが、出発の時間を予測する。

予定では、16時だったはずなのに……



「そういうことになりそうだ。」

ふっとロイドが笑う。

その笑みの理由はシェイリーンには分からなかった。