偽りの結婚(番外編)




唇を離したラルフを、大きく見開かれたエメラルドグリーンの瞳が見上げる。

すると、クスクスと笑いを堪えるような声が落とされる。



「どうした?額じゃ不満か?」

「い、いいえ。額で十分です!」

意地悪な笑みを浮かべるラルフに、シェイリーンは思いっきり首を横に振る。


いつも言わない事まで口に出てしまって…

もう、自分でも何を言っているのか分からない。


そんなシェイリーンの想いなど露知らず、ラルフは先程よりもクスクスと笑っている。




「ゆっくり、休んでくださいね。」

依然として、その場から動こうとしないラルフに、そう呟く。



「あぁ、シェイリーンもゆっくり休むといい。それから…暫くは、帰りが遅くなると思うが、先に寝ていていいから。」

「はい………。」

ラルフから告げられた事に、少しばかり落ち込むシェイリーン。

やっぱり、遅くなるのね……

しゅん、と沈む心は隠しきれなかった。