偽りの結婚(番外編)




「あぁ、今日は団員試験が長引いてね。後の公務の時間がおしてしまった。」

やっと、疑いの眼差しを止めてくれたラルフは、疲れたような表情で呟く。



「そうだったの……。」

どこか別の部屋で、お風呂に入ったのであろう。

髪は少し濡れていて、シャンプーの香りがふわりと香る。

きっと、私がもう寝ていたと思ったから、寝室のお風呂は使わなかったのね…

そんなラルフの小さな気づかいに、心温まるシェイリーン。



けれど、時間がおしたと言う事は、もしかして、これから残りの仕事をするのかしら。

書類らしきものは持っていないけれど…



「もう、今日は寝るのよね?」

ラルフの来ていた服の袖を掴み、不安げなエメラルドグリーンの瞳で見上げる。


「あぁ、そうだね。」

ふわりと微笑むラルフ。



それに、ほっとしたのもつかの間…


「何?今日も相手をしてくれるのかい?」

意地の悪い笑みを浮かべ、そんな事を耳元で囁かれる。