偽りの結婚(番外編)




キィーっと、遠慮がちに寝室の扉が開かれる。



音もたてず、そっと入って来たのは、この部屋のもう一人の主だった。

その主、ラルフは、ベッドの上に膝を抱えて座るシェイリーンを見て、軽く目を見開く。




「……ッ!シェイリーン、まだ起きていたのかい?」

「ええ、眠れなくて…。」

シェイリーンは、目を泳がせながら答える。



「どこか悪いのか?」

ベッドの端に座ったラルフが、シェイリーンの顔を除く。

心配そうな顔をしてそう言うラルフに、胸がキューっと締め付けられる。



心配される事が心地良い…


もっと、心配を掛けたいと思ってしまうのは、きっとラルフの気を引きたいから。


本当にどうしたのだろうか……


いつもより、少し帰りが遅くなっただけなのに、こんな気持ちになるなんて。