偽りの結婚(番外編)




けど………

寂しい…なんて言えない。

膝を抱えた腕をキュッと強く抱きしめる。



だって、私との旅行の為に時間を作ろうとしてくれているのだから。

私が“寂しい”なんて言うと、ラルフはきっと早く帰って来てくれる。

けれど、“時間は作る”と宣言したからには、必ずそれも実行するのがラルフだ。

だからこそ、“寂しい”なんて、簡単に言えない。


言ってしまえば、きっと、ラルフは早く帰って来てくれて。

私はそれで嬉しいけれど…

どこかで、その分のそのしわ寄せが来てしまう。

結局は、ラルフを苦しめてしまう。


ラルフを苦しめてしまうなら、寂しさなんて我慢できる。

ふと、シェイリーンは可笑しくなる。


今まで、ラルフとすごす時間よりも、一人ですごす時間の方が長かったのに…

いつの間にか、一人が寂しいと感じてしまうなんて…

ラルフといると、どんどん欲張りになってくる。



シェイリーンが、可笑しそうにふふっと笑っていると―――