偽りの結婚(番外編)




「モニカ、もう帰りましょう?」

扉を後ろ手で閉め、シェイリーンも小声で言う。



「もう良いんですか?」

「えぇ、もう十分よ。」

見つかって、試験の邪魔になってはいけないし…

何より、この胸の高鳴りが治まらないから。

ドキドキと、いつもよりも早く心音を刻む鼓動は、鼓動を刻む度に頬の熱も上げていっているようで…

正直、早くこの場から離れなければ、茹でタコになりそうな程だった。



「では、戻りましょうか。」

モニカも、大体の理由は分かっているようで、クスクスと笑っている。

恥ずかしさで顔を赤くしながら、王宮へ戻った。








そして、その夜――――

王宮の寝室から、溜息が一つ零れる。


「遅い……。」

シェイリーンの悲しげな声が部屋に響く。

その原因は、この部屋のもう一人の主、ラルフの帰りが遅い事。