偽りの結婚(番外編)




そして、またラルフが「次ッ…!」と厳しい声を上げる。



シェイリーンは、その光景に息を飲み、ただ黙って見つめていた。

先程から、ドキドキと、胸の高まりが治まらない。

普段は、全くあんな顔を見せないから…

剣呑な光を放つ深いブルーの瞳に、固く結ばれた口。

額にはうっすらと汗が滲んでいたが、それさえ綺麗で…




「どうですか?」

モニカが小声で問う。


「あんな、ラルフ初めて見たわ…。」

ほんのり赤くなる頬の熱は気のせいではない。



“かっこいい”


そう、思わずにはいられなかった。


けれど、今のラルフを目の前にしてしまうと、どうして良いか分からなくなりそう。


扉があって良かった……


ラルフも試験に集中しているみたいだし、こちらには気付きそうもない。