偽りの結婚(番外編)




ダンスのレッスンをしていた部屋からの帰り道―――

長い渡り廊下を渡りながら、モニカに話しかける。



「モニカ、先生に褒めてもらえたわ……。」

「はい。本当にシェイリーン様はダンスが上達しました。」

喜ぶシェイリーンに、モニカまで嬉しそうに話す。



「これで、ラルフにまた一歩近づけた…。」

独り言のように呟く。

まだまだラルフには到底かなわないけど、私はこれでいいの。

一歩ずつラルフに近づくと決めたから。



「次にラルフ様と踊る時が楽しみですわね。」

モニカはそんなシェイリーンの様子を見て、ふふっと優しい笑みを浮かべる。


「驚いてくれるかしら?」

不安半分、期待半分の瞳が、不安気にモニカを見る。


「絶対に驚かれると思いますわ。」

先程の優しい笑みではなく、クスクスという笑いに変わるモニカ。




それでも、不安の方が勝ってしまい、「本当?」「絶対?」と言うやりとりが暫く続いた。