偽りの結婚(番外編)




パンッパンッパンッ――――


先生の手を叩く音に合わせて、ステップを踏む。

バックヤードに流れている音楽は、モルト王国へ行った時にラルフと踊った難しい曲。



「はい、そこでターン。」

熱のこもった先生の声がフロアに響く。

先生の声に反応し、ターンをする。


ペアを組んでくれているのは、同じくダンスの先生。

ちなみに女性だ。

ラルフが自分以外の男性と踊るのを良しとしないので、仕方なく女性の先生に頼んでいる。

私もその方が集中しやすかったし、相談が出来るので、好都合だった。




長い曲が終わり、先生が近付く―――


「お疲れ様。」

先程の厳しい声とは全く違う、優しく声を掛けられる。



「ど、どうでしたか?」

まだ息の上がる声で、先生の評価を待つ。

すると、先生はニッコリと笑い…


「とっても良かったわ。もう、先生は要らないわね。」

その言葉に、パァッと笑顔になるシェイリーン。