シェイリーンに顔も合わせてもらないとは辛いものがある。
・・・いや、耐えられない。
「そのドレスも、君に良く似合っているよ。君の髪はプラチナブロンドだから、その白いドレスが映える。」
それに・・・、と次々にシェイリーンを褒めるラルフに、クスッと耐えられなかったように笑うシェイリーン。
「もう、怒っていないわ。ただ、貴方の焦った顔はあまり見れないから、意地悪しちゃったの。」
そう言うシェイリーンの顔は、本当に怒っていないようだ。
「シェイリーン、心臓に悪いからやめてくれ。」
ラルフは、安堵の溜息と共に、自分をからかうシェイリーンを恨めしく思う。
シェイリーンに関しては冗談の通じないラルフ。
良かった・・・シェイリーンに嫌われるなど、この世の終わりも等しい、などと考えているのは、それ程シェイリーンの事を愛しているからだろう。
「ごめんなさい。」
心の底から安堵するラルフに、シェイリーンはクスクスと笑いながらも謝罪する。
「お母様のドレスが着られなかったのは残念だけど、このドレスも好きよ?」
シェイリーンはドレスの端を持ちながら、愛おしげな眼差しで見つめる。
そして、仄かに顔を赤らめたかと思えば、こちらを見上げ口を開く。

