氷の女王に誓約を


どの道何年後には日本に帰らなければならない。


だがそれでも、敢えて国籍を取った上で練習環境を日本に、つまり日本で生活をするという手もあるにはある。


実際自国の内乱や暴動で他国に練習環境を置いている選手もいるし、祖国の地を一度も踏むことなく、その国の代表選手になった人も稀にだがいる。欧州では珍しいことじゃない。


バンクーバーまでには間に合わないだろうが、しっかり手続きを済ませてイギリス国籍を取得し、四年後のソチ五輪にはイギリス代表として出場するという方法もあった。


わざわざ層の厚い、強豪選手がひしめく日本に戻って来たら、過酷な代表争いを強いられる。


それこそ五輪に出場する機会を失うことになりかねない。


イギリス代表として経験と実績を積み重ねれば、怪我でもしない限り朝飛なら代表入りはほぼ確実だったはず。


俺も色々と話はした。


今から準備をすれば四年後は行ける。折角イギリス代表として三年間頑張ったんだ。国籍だけ移して日本で暮らす手もあると。


それでも朝飛は戻ってきた。