大介の口撃を容易くかわすが、大介は間髪いれずに第二波を放った。
「べっつに。ただ、二位のタクさんを差し置いて代表に選ばれた気分はどうなのか知りたかっただけですよ」
嫌みたっぷりな言い草。
流石の羽生も少し勘に障ったようだが、ふっと笑みを溢すと大介に視線を合わせた。
「それはチビ助が一番気にしていることじゃないのか」
「はぁ?」
「あの転倒さえなければ、タクが優勝したと思ってるんだろ。だから優勝しても何かが引っ掛かって俺に突っ掛かる。違うか?」
いつもの間延びした声ではなく、真剣な声色で語りかける。
大介は言葉に詰まったが、首を左右に振ってそれを否定した。
「んなわけねえ! 仮にあの転倒が無かったとしても、俺の得点は越せないだろうが!」
「じゃあ聞くが、タクのスケーティングスキルが8.4という評価は妥当だと思うか?」
完全に言葉が詰まる。


