氷の女王に誓約を


もしここで負の連鎖に呑まれ十位を下回れば、五輪の出場枠は一枠になってしまう。


全大会では九位だったから、ミスなく滑りきれば十位以内に入れる力はあるはず。


自身を鼓舞して挑んだFPは―――


誰も予期していないFP三位という結果だった。


SPと合わせて総合四位。世界選手権初の入賞。


五輪の出場枠もなんとか二枠確保することができ、日本代表としての面目をなんとか保つことができた。


とはいえ、素直に喜べない。


怪我がなければ間違いなく優勝候補の大塚さんが表彰台に登っていたし、羽入さんもトラブルがなければ本来の演技が出来て上位に食い込んだはずだ。


要するに、上位陣が崩れたためのおこぼれ入賞。俺の実力で勝ち取ったものじゃない。


運も実力の内だとか、あの雰囲気でミスなく滑れたことが軌跡とか、最終滑走であの演技は出来ないなどなど、多方面の方々からお褒めの言葉をいただいたけど、やっぱり納得できない自分がいる。


確かに過去最高の出来だとは思うけど……なんだかモヤモヤしてしまう。