デスドロップに二種類の難しいポジション、同一姿勢で八回転。大介とは違い、しっかりとレベルを取っている。
落ちついて滑っている。既に大介が作り出した空間は、完全に打ち消した。
ショートサイドからショートサイドへの、ストレートラインステップシークエンス。
普通は一旦スピードを殺してからステップに入るのが普通だが、朝飛はスピードを殺さずにステップに突入する。
その理由は片足ステップ。
片足だけではステップ中に速度を練り上げることは出来ない。そこで速度を保ったままステップシークエンスに入ったのだ。
朝飛は俺と同じく、スケーティング技術に特化した指導をする佐藤先生に師事を仰いでいた。
贔屓目に見ても、朝飛のスケートスキルは非常に高い。猛スピードの中、右足一本だけで複雑なステップを踏んでいる。
半分ほど進んだ所で、両足のステップに切り替える。
ターンの最中に一瞬躓きかけたが、上手く誤魔化して何事もなかったかのようにステップを続ける。


