氷の女王に誓約を


気分直しにお茶を飲むと、ヤマトもお茶を一口飲んだ


「まあ大丈夫だろ。大塚押しのお偉いさんも、駄目だとわかったら全力でお前のサポートに回るって。なんてったって、世界で四番目に強いスケーターだからな」


「それ嫌味?」


「事実だろうが。お前さ、いい加減自信持てって。まぐれで勝てるほど楽な世界じゃないってことはお前が一番わかってんだろ?」


そんなこと言われたって、未だに信じられないんだから仕方ないじゃないか。


三月に行われたフィギュアスケート世界選手権。


五輪を翌年に控えたこの大会は、世界一のスケーターを決めるだけではなく、各国の出場選手の人数と順位によって五輪の出場枠が宛がわれることになる。


謂わば五輪出場枠をかけた選考会。


日本を俺と大塚さんと羽生さんの最大枠の三名が出場。


この場合、最終結果の上位二名の順位の合計が、13以内だと最大三枠を得ることが出来る。


二大会連続で表彰台に昇っている大塚さんと、前回五位入賞と安定した強さを持っている羽生さんの二人で、最大枠確保はほぼ確定的と思われていたのだが……。